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伝統食材“鰹節”
焙乾、カビ付けの秘密
いぶすことでもたらされる効用
 かつお節は煮熟したあとに「焙乾」という作業が繰り返されますが、この「焙乾」には素晴らしい効用がいくつもあります。
 まず、「一番火」と「二番火」の頃は表面についた雑菌を殺し、ネトといわれる雑菌の集落の発生を防ぎます。次が、かつお節の独特の香りを生成します。この香りにも間接的なものと直接的なものがあって、直接的な香りは燻煙に含まれた成分から生まれます。もう一方の間接的な香りは、その後の「カビつけ」でできた優良種のカビが燻煙成分の溶け込んだカツオの身の油に作用してつくられるものです。また、燻煙中のフェノール物資によって節の油の酸化防止がはかられます。魚肉は酸化しやすい脂肪酸を多く含んでいるので、空気に触れるとすぐに酸化したり、油焼けなどをおこします。もし、かつお節が「焙乾」されなかったならば、その後「カビつけ」の間で繰り返される「日乾」の際に、節は変質してしまいます。つまり、あのようなおいしいかつお節はできないわけです。
重要な働きをなすカビ
 かつお節は「カビつけ」という最後の工程を経て、完成されます。
 それにしても、なぜわざわざカビをつけるのでしょうか。しかも、一回だけでなく、何度も繰り返されます。最後の「カビつけ」まで最低十四週間もかけられるという念の入りようです。しかし、この「カビつけ」にはかつお節のうま味をつくりだす上で、重要な働きが隠されています。その役目を果たすのが、節の表面にはえてくる優良種のカビです。
 カビというと、一般には毛嫌いされます。じめじめとした日に食品や衣類につくカビを連想されるからでしょうが、それらは良くないカビで、かつお節の場合は、みそやしょう油と同じように、カビの中でも優良なものです。そこが一般のカビとは根本的に異なります。
 いぶしたあと日に干す「日乾」の際に、自然に節にカビがはえてきますが、全体に平均してはえるというのではなくて、節の水分量に応じたカビだけがはぇてきます。そして、「日乾」「カビつけ」の作業を何度も繰り返すうちに節に含まれた水分が少なくなり、それにつれてそれまでついていたペニシリウム属の青カビがだんだんと姿を消し、代わってアスペルギルス属のカビがはえてきます。この中に、かつお節の香りに重要な役割を果たす優良種のカビがあるのです。このカビは、かつお節の地肌の中へ菌糸をのばし、内部にある水分を吸いだします。つまり、「カビつけ」は、焙乾だけでは取り除けない水分をカビによって除去する働きもするわけです。そして、さらに、このカビがかつお節のうま味を決定づける効果をもたらします。カビの菌糸が脂肪分解酵素を分泌して中性脂防を分解し、だし汁の透明度を高めるのです。また、カビ自体も、中性脂防を消費して、節の脂肪含有量を低める働きをするともいわれています。現在では、培養によるこの優良カビの生成も行われています。
おいしく保つには保存が大事
 みなさんはかつお節をどのようにして保存されていますか。
 かつお節は水分が十五パーセントかそれ以下なので、酵母や腐敗細菌が発生する心配はなく、また、かつお節の優良カビのアスペルギルス属のカビにしても、水分の少ない乾燥したところにしかはえないので、その点ではまったく心配いりません。問題なのは一般のカビについてです。温度が二十五〜三十度、湿度が八十パーセントを超えると急に繁殖してきます。また、害虫もいて、湿気の多いところを好むので、湿度の高い場所での保存は禁物です。
 一番いいのはきちんとラップしてから冷蔵庫か缶の中に入れておくことです。ただし、冷蔵庫の場合は、扉やその近くだと、特に夏など、扉の開閉によって温度変化を受け、傷む原因となります。なるべく奥にしまいましょう。また、削り節は、袋の口を輪ゴムでしっかり結わえてから同様に保存してください。
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