鰹節の歴史鰹節ができるまで美味しさの秘密健康をサポートする鰹節焙乾、カビ付けの秘密鰹節とその仲間たち
伝統食材“鰹節”
鰹節ができるまで
(1)カツオを選ぶ
かつお節づくりは、まず、カツオを選別することから始まります。大きさ、鮮度、脂肪のつき具合を見て、本枯節をつくるのに向くかどうかが判断されます。
大きさの点では、40〜65センチ程度のカツオが使われます。重さは3キログラムを境に、それ以上だと本節に、それ未満だと亀節に使用されます。
(2)生切り
「生切り」とは、頭や内臓、余分な肉などを除去し、かつお節の原形に切りおろす作業のことです。
最初に頭を、次が脂の多い腹の肉の部分、つまりハラモを落とします。ここは脂防分が高いために、でき上がった際香り味ともに品質が悪くなるため、かつお節づくりには使われません。そのあとヒレを落とします。
次に身卸しに入ります。3枚におろすといったほうがわかりやすいかもしれません。亀節の場合は、すぐに次の工程である「籠立て」に移ります。本節の場合は、身割りといって、身卸しによってできた二つの節をそれぞれさらに2つに切り分ける作業が行われます。血合いの中央に包丁を入れ、尾のほうから頭のほうへ向かって、背と腹に切り分けていきます。
(3)籠立て
「籠立て」とは、「生切り」された各節を煮熟するために、籠に並べていく作業です。煮籠は現在は金属製のものが使われていますが、一昔前までは、竹の籠の底に柔らかい生草を敷き、その上にカツオを並ペていたようです。
「籠立て」はカツオの節を並べるだけの作業ですが、しかし、その並べ方には神経が配られます。ねじれていたり曲がっていたりすると、その状態で煮熟されるために、形の良いかつお節ができ上がらないからです。ここで身の最終チェックをし、整えます。
(4)煮熟・放冷
「籠立て」を終えた煮籠は重ねられ、ウインチでつり上げられてから、80℃の湯をたたえた煮釜の中で煮熟されます。煮籠を煮釜の中におろしてから、湯の温度を80℃から98℃にあげます。100℃にしないのは、そうすると釜の底から大きな泡がたち上がり、節が動揺して煮くずれがおきやすくなるからです。
煮熟する時間は亀節と本節とで異なります。亀節は1時間、本節は1時間半が標準になっています。煮熟の目的は、筋肉中の水分が拡散しやすいように、タンパク質を十分に凝固させることです。その結果、よく肉のしまった、また苦味などのくせのない上等なかつお節ができ上がります。
煮熟し終えたら、煮釜から煮籠をとりだし、風通しのよい所に置き、一時間風にさらします。この作業が「放冷」です。これによって身をひきしめます。そうしてできた節がなまり節です。
(5)骨抜き(籠離し)
「骨抜き」は骨抜き盥(たらい)と呼ばれる水槽の中で行われます。骨、皮、ウロコ、皮下脂防、汚れなどがのぞかれます。まず、最初に皮をとります。雄節だと頭に近いほうから半分ないし3分の2を、雌節だと、同じように3分の1をはぎとります。一部を残すのは、このあとの「焙乾」の際に身くずれがおきるのを防ぐと同時に、残った皮が、「焙乾」時にシワをつくり、シワの状態が「枯れ」具合、つまり乾き具合を判断する目安になるからです。
不要物を取り除いたのち、専用の道具で骨を抜きます。骨抜きをするのは、でき上がったかつお節を削る際に引っかかったり、骨があることで形が悪くなるのを防ぐ他に、口当たりや風味をよくするためです。
また、「骨抜き」が終わると、節が完全に煮籠から離れるという意味から、この工程は別名「籠離し」とも呼ばれます。
(6)水抜き焙乾
焙乾とはいぶすことです。「骨抜き」を終えた段階での節は、68%と多量の水分を含んでいます。これを蒸発させ、腐りにくくします。焙乾の作業は何度も繰り返されますが、最初に行われるのを「一番火」といい、「二番火」以降とは区別して、特に「水抜き焙乾」と呼ばれます。
「骨抜き」を終了した節は蒸籠とも呼ばれるセイロの上に並べられ、火山にかけられます。火山とは、焙乾炉または焙乾室のことです。1枚のセイロには、通常、六尾分の節が皮を上にして置かれます。それを下からたきぎで燃やすのですが、たきぎには、ナラ、クヌギなどの堅木が良いとされ、また、それらのおがくずも用いられます。
「一番火」は、表面の水分を除き、雑菌を殺してネト(表面にできる雑菌の集落)の発生を防ぐのが目的です。85〜90℃の火山の中で、約1時間行われます。そして、煙が平均して行き渡るように、途中でセイロの上下を入れ替えます。
(7)整形
「一番火」の後にだけ行われるのが「整形」です。「修繕」とも「こすくり」とも呼ばれます。焙乾を終った節の中には身が欠けていたり、傷がついていたりするものがままあります。それをそのままにして次の工程へと進めば、欠損した箇所から身割れがおきたり、欠損箇所が拡大するおそれがあります。それを防ぎます。
整形は「焙乾」の終わった翌日に行われます。使われるのは、中落ちの肉と頭の肉です。中落ちとは、「生切り」の際に三枚におろしたときの中骨のことで、そこにまだ肉がたくさんついて残っています。また頭の肉ですが、これも「生切り」の際に切り落とされたものが使われます。頭の上部と下部にはまだたっぷりと肉がついています。中落ちの肉を節を煮熟する際にいっしょに煮熟しておき、残ったこれらの生肉といっしょにまぜ合わせます。こうして準備を整えてから、修繕に移ります。欠損した部分に竹ベラや木じゃくしなどで、ペースト状になったすり身を埋め込んでいきます。そのあと水で湿らせた和紙を貼っておきます。
修繕のほどこされた節は、さらに焙乾が繰り返されます。
(8)間歇焙乾
先の焙乾が「一番火」といわれるのに対し、これ以降の焙乾は「二番火」「三番火」「四番火」と行われる順番に沿って、その名がつけられています。また、「一番火」は単に「焙乾」でしたが、「二番火」以降は「間歇焙乾」といいます。亀節の場合で6〜8回、つまり、六番火から八番火まで、本節だとそれよりさらに多く、10〜15回、つまり、十番火から十五番火まで行われます。
「間歇焙乾」は「一番火」より少し低めの温度で1時間ほど行います。さらに三番火、四番火と進むにつれて焙乾の温度を低くし、反対に焙乾の時間を徐々に長くしていきます。
1つの焙乾が終ると、次の焙乾に移る間に「あん蒸」を行います。焙乾にわざわざ間歇と冠しているのも、この工程がさしこまれるからです。「あん蒸」とは、節の並んだセイロに木のふたをし、ねかせる作業のことです。
かつお節をつくるには、内側にある水分を表面に拡散させ、外に出す必要があります。「あん蒸」無しに一挙に焙乾してしまうと、節は表面だけが堅くなり、水分が中に封じ込められてしまいます。
「あん蒸」をはさみ、何回にも分けて焙乾します。こうして焙乾を終えた節の水分は28%ぐらいにまで減少します。
ちなみに完成品である本枯れ節だと、残存水分は14〜15%以下ですから、これ以降の「日乾」「カビつけ」の工程の中で、さらに約10%の水分がなくなることになります。このように間歇焙乾の最大の目的は水分を減らすことですが、それ以外にも、菌の繁殖を防いだり、酸化を防止したり、また香りづけをしたりする役目も担っています。
最後の焙乾がすむと、節は2〜3日の間日に干され、ここでようやく間歇焙乾が終了します。でき上がった節は真っ黒でザラザラしており、その外見から「荒節」、または「鬼節」とも呼ばれます。
(9)削り
荒節は半日か1日程よく日にあて、樽か箱に詰めてからさらに2、3日おきます。そして表面が湿り気をおびてきたら、「削り」の作業に入ります。
「削り」は何回となく焙乾を続り返したために表面いっぱいに付着したタール分と、焙乾中ににじみでた脂防分をまずとり払わう為に行われます。また、同時に形を整える目的もあります。荒節は焙乾によって熱を加えられていたために、凹凸があったり、曲がっていることがあります。このまま次の工程の「日乾」「カビつけ」に入っていけば、形の悪い本枯れ節ができ上がってしまいます。そのようなことがないように、ここできちんときれいな形にし上げておきます。また、他にも、害虫や不良なカビを防いで保存力を高めたり、香りを保ったりする役目も担っています。「削り」という呼び名ですが、節の形を整えるという意味から「節削り」、「削作り」ともいわれます。
こうして削り上げられた節は、真っ黒だった荒節から一変し、赤褐色を呈します。そこからこの節は「赤むき」「赤はぎ」と呼ばれることもありますが、通常は「裸節」といわれます。
(10)日乾・カビつけ
この作業で残存している28%の水分を18%にまで減少させるために行われます。他にも、カビに節の筋肉の脂防分を吸収させて、肉質を良くしたり、節の表面にカビの被膜をつくることで香味が抜けないようにします。
作業は日数をかけ、じっくりと行われます。まず、裸節を1〜2日間、戸外で日に当てます。このことを「日乾」といいます。そのあと樽か木箱に節を詰め、しっかりとふたをします。かつお節工場には、カビが発生しやすいように25〜26℃、湿度84〜85%に自動制御された「カビ室」と呼ばれる部屋があり、そこに節の入った箱を入れると、夏なら16〜17日間で、節の表面が青カビで覆われます。この最初に発生したカビのことを「一番カビ」といいます。
次に、カビのついた節を容器ごとカビ室からだし、戸外に広げたムシロなどの上に並べて2日間ほど日に干します。そのあと、ブラシを使って1本1本丁寧に表面のカビを払い落とします。こうやってカビを落としたら、今度は風通しの良い日陰に並べ放冷します。
その後再び節を箱に詰め直し、しっかりふたをして、「一番カビ」のときと同じように、またカビ室に戻します。
すると今度は約2週間で一面にカビがはえてきます。これを「二番カビ」といいます。それをまた、ぬくもりのある内にブラシでカビを払い落とし、放冷後箱に詰め、ふたをしてカビ室に移します。そこではえたカビが「三番カビ」です。このあとはカビを払い落としたのち、カビ室には戻さず、外気中に置いてカビがつくのを待ちます。 カビの発生までの日数は、カビつけの回数が進むにつれ、のびていきます。
一番カビまでは二週間、それから1週間ずつ長くなっていきます。そうして新たなカビがはえなくなったら、「カビつけ」の作業は終了します。カビつけは通常、四番カビまで行われます。長びいた場合でも六番カビまでです。
カビの種類ですが、これもカビつけが進行するにつれて、ペニシリウム属からアスペルギルス属に変わっていきます。このアスペルギルス属のカビの中に、優良種のカビが入っています。グラウカス、ルーパー、レーペンスなどがそれで、これらのカビの発育した節の表面は淡灰緑色をしています。本枯れ節の質の良さを決定づける重要な条件として、表面が淡灰緑色をしていることが真っ先にあげられるのも、そのためです。この「カビつけ」が終わると、全行程が終了し、本枯れ節ができ上がります。
生切り
生切り
籠立て
籠立て
煮熟
煮熟
放冷
放冷
骨抜き
骨抜き
焙乾
焙乾
整形
整形
荒節
荒節
削り
削り
カビ付け
カビ付け
一番カビ
一番カビ
日乾
日乾
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